説明
やや黒みがかった深紅の色合い。ラズベリーやグレナデン、ブルーベリーやブラックベリーなど酸を持つ熟した赤や黒系果実が混ざり合うような香りに、土や茎のような大地を想わせる香りがやや感じられます。セパージュのイメージからは重厚でパワフルな味わいを想像しがちですが、ベジェテルな青さなどはなく、フルーティーさと畑の土などを想わせる素朴な風味が感じられ、落ち着きのあるミディアムで穏やかな仕上がりです。軽やかなタッチで甘さは控えめ、綺麗な酸と果実味が混ざり合い甘酸っぱくジューシーさを感じさせながら広がり、スムーズな飲み心地です。香りにも感じられる土や植物の茎のような風味と細かなタンニンが残り、また鼻腔にグレナデンのような果実香が抜けていき、抑揚が感じられます。軽やかで馴染みやすさがありながら、芯のある印象のワインです。
サミュエル・ブーレ について
研修生として2000年にミッシェル オジェに弟子入り、2006年からはスタッフとして雇用され12年まで、自らもワインを造りながら働いた経歴の持ち主。ジル・アゾーニ氏が畑を売りに出したためこれを購入、5haを得てミッシェル・オジェを退職してアルデッシュで再びワイン造りを開始。2015年が初ヴィンテージとなります。
●畑仕事について
現在のところ、引き継いだ畑のうち1haはブドウが植わっておらず、更にいくつもの樹を抜いて土地を休ませながら、畑のコンディションを徐々に整える方針。
今後は不耕起栽培を行う。アゾーニ氏が耕作していたため、それを突然止めることにより生じる問題を懸念して15年は2畝ごとに耕やしたが、16年からは全て止めている。
単位収穫量についてはロワール時代で8-10hl/haだったので、ここアルデッシュでも同じくらい収穫できれば十分だと考えている。
土地の面積に対して植わっているブドウが少ないことについて、そういった状況を恥じる生産者は多いが、本人は反対にとても誇りに思っている。
●醸造について
自分の仕事は畑の中でほぼ終わっている。つまり、収穫したブドウを圧搾すること、必要に応じてピジャージュやルモンタージュをすることくらい。基本的には何もしないで、微生物の活動を見守るだけと考えている。
(イポーター資料より)