説明

約2年半倉庫で寝かせ、今回のご案内となります。入荷当時はやや還元的でアニマル香などが先行し、味わいにおいても現状に比べカシスやプルーンなどの凝縮した風味が強く、全体的にアンバランスな印象を受けました。現在は還元やアニマル香などは全く感じられず、チャーミングな果実感が多く軽快な飲み心地を楽しめる味わいへと変化しています。ルビーのような深い赤色。ブルーベリーやカシスなどの黒系果実にグレナデンやフランボワーズなどの甘酸っぱい赤い果実香が混ざり合い、口中でも香りに似たベリー感たっぷりの果実味が広がり、カカオのようなタンニンが僅かに残ります。甘みと酸が融合し果実味との調和が良いカジュアルで親しみやすい口当たりで、アフターにはほどよいタンニンが感じられることで、トーンが一段低くワインらしい感覚を与えてくれます。抜栓2日目には、甘さ控えめのカシスリキュールのような凝縮した果実味を感じさせながら、キリッと締まりの良い酸が軽やかなタッチへと導いてくれます。3日目には豆のニュアンスが感じられますので、2日目までにお楽しみ頂くことをお勧め致します。

レ・ヴィニョーについて

アルデッシュの南　Valvignere　ヴァルヴィニェール村で三世代続くワインの造り手。現在は、クリストフとエレーヌの2人がワインを造っています。2001年からビオロジック、2009年からビオディナミに移行して、土地の力を最大限に生かしています。畑を案内してくれるときに鍬をもってきて土を掘り起こし、土の違いが葡萄の違いに、そしてワインの違いになることを熱心に教えてくれます。ここ数年、ジェラルド　ウストリック（マゼル）やジル　アゾーニなどが中心となって他の造り手を感化し、ヴァルヴィ二エール周辺では沢山の若手が自然派ワインを造り始めています。そんな激戦区でありながら、ヴィニョーはとても注目されています。彼らを一躍有名にしたのはピノノワール。南のピノノワールと聞くと大味を想像しがちですが、その果実味のフレッシュさ、繊細さに皆が驚きフランスで一気に評価を高めました。その他の品種のワインもとても高いレベルで安定しています。自然派ワインのファンはもちろん、そうでない方も誰もが安心して楽しめる貴重なワインの造り手です。