ラングロール/テール・ドンブレ 2019

商品名 テール・ドンブレ 2019
原語表記  TERRE D’OMBRE
ワイナリー/生産者 ラングロール/エリック・ピュフェリン
タイプ
生産地域 コート・デュ・ローヌ
ブドウ品種 グルナッシュ・ノワール 70%(平均樹齢 40 年)、
シラー30%(平均樹齢 20 年)
アルコール度数 12.5%
サイズ 750ml
 

¥4,730 税込

在庫切れ

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説明

テール・ドンブレは「影の大地」という意味。2019 年は綺麗なヴィンテージ。2018 年に比べ、量は少し減少したが、ぶどうはより濃厚でしっかりとした味わい。寝かせることをおすすめするヴィンテージ。
爽やかでジューシーなフルーツを味わいたいのであれば、このキュヴェはまさにナンバー1!
スパイスと、赤果実のフレッシュさが口の中で広がり、空気のように軽やかに飲めてしまうワイン。茄子のグラタンや、タラと野菜のラザニア、赤身のお肉料理に合う

粘土と泥灰土質土壌。マルヌ・泥灰岩。除梗無し、破砕無しのグラップ・アンティエールで 10 日間の醸し。
プレス後、タンクでアルコール発酵が終ってから樽入れ。ピジャージュ無し。ルモンタージュ無し。古樽で 9 カ月間のシュール・リー・フィンヌ熟成。

 

ラングロールについて

〈幼少期~青年期〉
1962年10月23日アフリカ、ナイジェリア生まれ。祖父と両親の仕事の関係で、生後2か月までアフリカで暮らしたそうだ。おじいちゃんは、星の王子様のサン・テクジュペリと同様に、同時代、飛行機のパイロットをしていたそうだが、狩猟が趣味で、ある日、ワニを捕獲に向かったが、逆に川に落ちて、ワニに食べられてしまったそうだ。そのとき、エリックの父親3歳。かなり苦労をしたそうだ。

ともかく、アフリカからフランスに戻り、ニームの村で生活を始めた。子供の頃から、自然が好きで、屋外で自然に触れて育った。性格的には、押さえつけられるのが嫌いで、とにかく反発しがちな子供だったという。

そして、青年期、父親の影響もあり、養蜂家として働いていたが、母親方のおじいさんが亡くなり、その所有するぶどう畑の相続で、家族会議を行われる。家族一同は、エリックが一か所に落ち着いて仕事するように、また、養蜂家という自然に一番近い環境にいることを考慮して、エリックにぶどう畑を相続するように薦めた。これが、1988年。譲り受けたぶどう畑5ha。ここから、エリックのワイン造りの歴史が始まる。

〈マリーローの父親の教え〉
ぶどう畑の栽培方法も、全く分からないエリックに、昔ながらのぶどうの栽培を教えてくれたのは、ぶどう栽培から引退したばかりの、奥さんマリーローの父親だった。 もともと養蜂家として、自然環境の汚染に不安を持っていたエリックに、マリーローの父親が教えてくれる昔ながらの自然な農法は、スムーズに吸収されていった。

〈エステザルグの出会い〉
1990年から近くの若手生産者が集まる共同組合の組合員になり、ぶどうを売り始めた。この1990年から2000年の間は、まさに試行錯誤の繰り返しであり、ぶどう畑は、有機栽培へ完全に移行、そして醸造に関しても、いつかの独立を目指して、実験的醸造を数多く行った。そして、このとき、出会ったのが、当時のエステザルグの醸造責任者のジャン・フランソワ・ニック(現在、フラール・ルージュの生産者)。あまりにも世間に、工業的で、頭痛のするようなワインが多いことに疑問を持っていた二人は、自然栽培のエリックの経験、ジャン・フランソワの酸化防止剤を使用しない醸造技術をお互いが情報交換し、2002年同時に、お互いの夢を目指し独立をする。ラングロールの誕生である。

*****洪水の年2002年、酷暑の年2003年*****
しかし、運命は過酷であった。独立、最初の年2002年は、雨が多く、ローヌ地方では洪水が発生。収穫量は予定の半分であった。そしてまた2003年は乾燥、酷暑の年、ただでさえ、暑い南仏のタヴェルをこの熱さが襲い、この年も収穫量は激減した。2002年の洪水のとき、濁流がぶどう畑を削りとり、一部崖のような断層ができた。それを見てエリックは、自分のぶどう栽培に確信をもった。硬い岩盤質の石を、根っこが、垂直にまっすぐ伸びていることが分かったのである。テロワールを表現するには、根っこが地中深く入り込み、多種多様なミネラルを吸収しなくてはいけない。エリックのぶどう栽培に間違いはなかったのだ!

********マセラシオン・アロマティック********
ラングロールのワインのアロマは、まさに赤い果実のパニエのようだ。南ローヌのワインなのに、アルコール度数も高めでも、フレッシュでジューシーである。その秘密は、収穫及び醸造方法にある。収穫のぶどうは、通常トラクターなどで運ぶ。しかし、このラングロールでは、冷蔵トラックをぶどう畑に横付け、早朝の気温の低い時間に収穫、そのぶどうを冷蔵トラックに積み込み移動、カーヴの横の別の冷蔵庫にて5度から7度まで一晩冷やす。そして、そこから赤ぶどうは、ぶどうを丸ごと房ごとタンクに入れ、二酸化炭素が充満した嫌気的な環境でセミ・マセラシオン・カルボニックを行う。この醸造方法は、全てはぶどうのピュアな果実実を表現するためであり、その醸造方法は、ボジョレーの自然派生産者マルセル・ラピエール、もっと遡れば、この醸造方法を確立させて、ジュール・ショーべから来たものである。南仏の熱さのなかで、アルコールを感じさせず、果実実とテロワールを表現するためには、この手法が適しているというのである。

*******混植、混醸*******
ラングロールの現在所有するぶどう畑は、8ha。その大半のぶどうの樹齢は古い。樹齢100年以上のカリニャンやグルナッシュの区画があるが、それらの区画は黒ぶどうに混ざり、ブー・ブラン、クレイレットなどの白ぶどうも一緒に植えられている。それらは、一緒に収穫され、一緒のタンクで醸造される。 これは、昔の南仏の生産者の知恵ともいえる。コート・ロティでも、シラーに数パーセントのヴィオニエが混ざるが、まさにどうしても熟度の高すぎるぶどうが取れる南仏では、白ぶどうを混植して、一緒に混醸することによって、バランスのとれた味わいを造りだせるのである。まさに、メゾッド・アンセストラル(伝統的方法)である。エリックは、混植でない区画に関しても、このセオリーを使い、赤ワインに若干の白ぶどうを混ぜるようにしている。

*******自然酵母との戦い*******
2008年のシュマン・ド・ラ・ブリュンヌは、ステンレスタンクで半分、木樽にて半分アルコール発酵をさせようとしたが、ステンレスタンクの半分は発酵が進まず、最終的には廃棄することとなった。このキュベは、サンソーとアラモンをダイレクトプレスして造るロゼであるが、ぶどうの果皮とマセレーションをしないため、ぶどうの果皮に付着している自然酵母が働きにくいのである。また、2008年は、雨が多く、果皮の自然酵母を流してしまった可能性も考えられる。そんなリスクの中、ぶどうをダイレクトプレスしたロゼを造りたかった!と挑戦したとエリックは、笑いながら語る。 自然酵母を活かすため、もちろんSo2は、収穫、醸造段階では一切使用しない。赤ぶどうのプレスも、白ぶどうのプレスに圧力でゆっくりとやさしく行う。そして、ワインの液体の移動は全て重力で行い、けしてポンプは使用しない。ぶどうのポテンシャルを最大限に活かしたワイン造りといえる。

*******自然派ワインを造ることは、洋上を帆船で進むがごとし*******
自然は人間より強い。自然な栽培や醸造をすることによって、いろいろな苦難もある。しかし、海の上を進む帆船のように、風に身を任せ、自然を受け入れながら、目的地に向かっていくことが大切なのだとエリックは言う。

*******何かにとらわれず、ただ全力を尽くすのみ*******
ぶどうは、年に1回しか収穫できず、もちろんワイン造りも年に1回しかできない。そこで、人間のエゴや、思いこみが入ると、良いワインができない。逆に、良いワインを造らなくてはいけないという思い込みから、自分を解き放ち、無の状態から、その年のぶどうを受け入れ、そこに最善の努力をしなくてはいけない。

*******日本が与えてくれたもの*******
ラングロールには、ニュル・パール・アイユールという日本だけの、日の丸ワインとも言われるキュベがある。樹齢100年を超えるグルナッシュから造るワインだが、この区画は、日本のラングロールファンの支援のもと手に入れられたぶどう畑である。このワインには、いろんな人たちの思い、エリックの日本への感謝の思いが込められている。

自然な栽培を始めた当初、除草剤を使用せず、ぶどう畑に雑草を生やし、手作業で畑を耕し、収穫も手摘みで行う、彼の姿を見たタヴェルの回りの生産者達は、エリックの頭がおかしくなったのではないかと馬鹿にした。
 
また、昔ながらのタヴェルのワインを再現した、彼のワインをAOCは認めなかった。多くのワインは、テーブルワインとして販売することとなった。

そんな中、初めて日本へきて、自分のワインが普通に受け入れられていることに驚き、そして多くのソムリエ、料理人、お酒屋さんが、ワインを褒めてくれ、自分の栽培方法、醸造方法、生き方に共感してくれた。その感動がエリックに自信を与え、さらに彼のワイン造りが進化する原動力になったことは、間違いない。エリックは、今、また高みを目指し前進する。この日本のラングロールファンのためにも !!!

インポーター資料より

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