説明
スィのレッドはご多分に漏れずマーガレットリヴァーの看板のも云うべきカベルネソーヴィニヨンを主体にしたトリプルブレンド。但しメルロは使用せずマルベックとプティベルドがバランスを担っています。
上面を開けた古い樽で自然醗酵を行い、長期に渡りスキンコンタクトを行います。至って普通の赤ワインの造り方ですがプランジ等は余り積極的に行いません。あくまでもブドウ自体から滲み出る様な旨味と個性を大切にし、じっくり時間を掛けながらその完成型へと向かって行くのです。まだ若い二人のワイナリーですから熟成は新樽と古樽が混在しており、バスケットプレスした後に行う18ヶ月の樽熟成が複雑性を加味しています。
サラとイーヴォ(ちなみにSarah&IwoでSiですよ)が数々のビンテージを経験した後に辿り着いたスペインで直面した数々の修羅場がこの赤を誕生させる際に大きなインスピレーションを与えたそうです。特にボーメやブリックスといった糖度が上がりやすい地域で直視した現実は大変ショッキングで、数値に捉われたグループとそれに相反する生産者たちの姿はスィの哲学を練り上げて行くうえで大変な影響を与えたと二人は語っています。
人為的アクセスをせずに瓶詰めされるスィ・レッドははるか昔にボルドーが失ってしまったフレーバーを新たに発見できるタイムカプセルと言えるでしょう。
Si について
「自分が飲みたいものを造る」気持ちに突き動かされた結果に誕生した新たなる既成概念の破壊者。それがスィです。
サラ・モリスとイーヴォ・ヤキモウィッツという二人が出会い、恋をして価値観を共有してきた人生の延長線上にスィは誕生しました。芸術や建築、旅やサーフィン、時として義務的に発生する社会人としての責務を楽しみつつワインという魔法の液体に魅せられた二人は共に西オーストラリア、カーティン大学で醸造学と栽培学を学び暮らしてきました。いったん二人は互いに離れ離れとなり、数年に渡り国内外で数多くのビンテージに参加。最後に待ち合わせの場所として辿り着いたのはカタルーニャでした。自分たちが進むべきビジョンを鮮明とした2010年。故郷マーガレットリヴァーに30エーカーの土地を購入し(そのうち20エーカーがブドウ畑で1970年代に植えられた古樹が主体です)いよいよスィが始まったわけです。
バイオダイナミクスによるブドウ畑と周囲にある自然環境との共生。日々畑で収穫する自分たちの野菜やハーブとスパイス。コンクリートのエッグタンク。アンフォラ。フロールでの白ワイン熟成。そして毎日の儀式のように楽しむサーフィン。サラとイウォの挑戦はまだ始まったばかりですが、その卓越した品質と個性に世界が反応しており、現在ロンドンのワインシーンでは既に熱いムーヴメントの中心にあります。「マーガレットリヴァーはボルドーに土壌も気候も酷似していてね・・・」なんて文句に飽き飽きしているそこの貴方。呑むべきワインはスィです。
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