説明
「喉が渇いていなくても飲める」という名前のキュヴェです。シレックスの混じった粘土質土壌で育った高樹齢のムニュピノーとシュナンブランを醸しながら一晩かけゆっくりプレス、グラスファイバータンクで発
酵、ステンレスタンクで熟成しました。クリアなグリーンイエロー色、カリンやオレンジ、完熟みかん、リンゴの香り、豊かでジューシーな果実味が口中に拡がり、少し高い酸味と複雑味のあるコクが楽しめます。
コイ ディ フラヴィオ レスターニ について
我々の認識するネゴシアンのイメージを変えたレ・ヴァン・コンテ。2002年から始めたロワールのネゴシアンで我々とは長いお付き合いです。私も2002年に同じ地でワイン造りを始め、同じ仲間として同じ苦労を一緒に歩んできました。Midoのワインも心境的に作りたくない私に代わって醸造してくれたり、剪定で人が足りないと探してくれたり、
色々助けてくれているのがオリヴィエです。ViniJapon第二回目が開催になる予定の時に、延期になっても日本に来てくれました。色んな意味でオリヴィエには実は頭が上らない面が沢山あるのです。でも絶対に信頼できる、決して人を裏切らないお人柄はとても素敵です。ちょっとのんびりした感じもありますが、その性格がワインにも出ているのが面白いです。彼は2002年からワイン作りを始め、少しずつ少しずつ味が向上してきました。そのスピードはちょっとのんびりだったかもしれません。しかしどのヴィンテージもコストパフォーマンスの良さはピカ一です。長年扱って下さられておりますお客様はもうご理解頂いていると思いますが、彼のワインはどんどん味が向上しております。彼は1995 ~ 1998年までParisのギイ・サボワという一世を風靡したレストランでソムリエをしておりました。ちなみにこのレストランは今では1ッ星から2ッ星に昇格し、他にもビストロで手軽なお店の展開も始め、とても人気のあるシェフです。ソムリエ時代多くの素晴らしいワインと出会い、自然派ワインにショックを受け、1998 ~ 2001年までBeaujolaisの大御所マルセル・ラピエールの所でワイン造りを学びます。そして2001 ~ 2002年、最後の1年間だけParisに戻りCave a Parisという酒屋さんで自然派ワインばかりのセレクションのお店をたった1人で任せられ、そして遂に2002年より独立しました。物腰柔らかい、とても紳士的なハンサムボーイ、ワイン醸造家というよりソムリエさんのイメージでしたが、今ではその面影は過去のもの。オリヴィエはすっかり醸造家として二回りも三回りもたくましくなりました。私の付き合っている醸造家達はほとんどが自分で始めた人ばかりです。ブドウは彼等の知人のBIOかビオディナミ実践者のブドウのみ購入し醸造。ネゴシア
ンとはもう呼べるレベルではないでしょう。(新井順子)
レ・ヴァン・コンテの醸造所にはドレッドヘアや緑色の髪の人など、いつもヒッピー風の人達がたむろしていて賑やかです。枝の選定や収穫を頑張っているレ・ヴァン・コンテのスタッフ達です。
レ・ヴァン・コンテは年々、自社畑のブドウから造る割合が多くなり、現在は自社畑11ha、買い葡萄3ha、もはやドメーヌです。2002年のファーストヴィンテージから買い続けている日本を一番大切して下さっており、現在はクオリティの高さから世界中で引き合いが強くなっているのですが、ディオニーに優先的にわけてくださっています。二番目はアメリカ、三番目はカナダのケベックに多く輸出しています。(2020年1月訪問)
【2020はオリヴィエ・ルマッソン最後のVTGです】
2021年6月1日、オリヴィエ・ルマッソンは旅立ちました。私事ではありますが、前職の入社試験代わりのTasting Reportは彼のアリゴテ2006。それが彼のワインとの出会い。以後10年以上、営業マンとして嫌というほど彼のワインと向き合い、正直もう取扱いをやめたいと思ったこともあり、オリヴィエ本人にも正直に苦しさを打ち明けたこともあります。生産者とワイン営業マンとして彼のワインの現状や問題点、将来について多くを語り合い、共に改善・成長してきたという想いがあります。ですので、亡くなるまでの数年の彼のワインの成長ぶりには、試飲して感激して時に涙がこぼれたこともあります(本当です)。
彼は非常に多くの人々に愛された人間です。ロワールの彼の醸造所横のTasting Roomは、いつ行ってもいつも彼に会いに来た農家仲間、醸造家仲間でいっぱいでした。口下手であまり多くを語りませんが、その何ともいえない穏やかな空間の中心にはいつも静かに微笑み、グラスを持ち、紙たばこをくわえる彼がいました。不器用な生き方だったのかもしれませんが、まっすぐな性格で努力家、仲間を想いやり周りの人間をとても大事にする人間性。葬儀にはフランス中からワイン関係者がたくさん集まったそうです。2022年の同じころ、彼の最後のVTGの赤ワインを中心に、 2023年は2019年と2020年の白3種類をリリースいたしました。今回リリース致しますのは彼の白のフラッグシップ/Algotestの19VTGと20VTG、そしてBois sans Soif20VTG。本当に最後のキュヴェとなります。彼のワインは春から夏が一番似合うのでは?と長年思っています。くわえてLast VTGとなる2020は、毎年命日近くにリリースして皆様へちょっとでも彼に想いを向けて頂けたらと考えてきました。
21年夏に入荷後、大事に寝かせてのリリースです。個人的には正直飲み頃はあとちょっとだけ先かなとは思いますが、きっと彼が目指してきたスタイルはこうだったんだろうな、、、という素晴らしい出来栄えであることは間違いありません。抜群のポテンシャルを秘めている事は間違いなく、そして最後のワインですのでまだ寝かせた後、皆様に飲んでいただきたいと考えています。彼が生んだワインはまだまだ生きています。
どうか皆さま、最高のDaily Natural wineに魂を注ぎ続けてきた生産者オリヴィエ・ルマッソンの顔を、ワインを飲む際に少しでも思い出していただければ、、、オリヴィエも天国で微笑んでくれるような気がいたします。(玉城寛樹)
インポーター資料より
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