シュテファン・フェッター/ ミュラートゥルガウ 2017

商品名 ミュラートゥルガウ 2017
原語表記 Müller-Thurgau
ワイナリー/生産者 シュテファン・フェッター
タイプ
生産地域 フランケン/ドイツ
ブドウ品種 ミュラートゥルガウ
アルコール度数 9.5 %
サイズ 750ml
 

¥3,300 税込

在庫切れ

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説明

ドイツの銘醸地フランケン、自社と近所の生産者から購入したミュラートゥルガウを300L の木樽で90日間発酵、そのまま7ヶ月シュールリー熟成しました。うっすらピンクがかったライトイエローの外観からハーブやオレンジの香りを感じます。しっかりとした酸がアタックに拡がったあと、優しい果実の甘みが柔らかさを演出し、さらに蜜の香りが鼻から抜ける、ふくよかな印象。フレッシュかつエレガンド。アルコール度数も9.5%。
シュテファン・フェッター について

 2010年、現在の拠点ガームバッハから南東へ60km離れたCasteller Kirchberg(カステラー・キルヒベルク/シュタイガーバルト地区)に初めて畑を借りたのがヴァイングートとしての第一歩です。当時はオーストリアのワイナリーで働きながら週末にドイツに帰って畑を見るという生活をしていました。2012年、オーストリアの仕事(研修)を終え同じフランケンで父の田舎でもあるシュタイガーバルト地区のIphofen(イプホーフェン)に引っ越し、ここと現在の拠点のガームバッハにさらに2つの区画をかります。その後3年の間に、ガームバッハの周りに素晴らしい区画Gambacher Kalbenstein(ガームバッヒャー・カルベンシュタイン)を手に出来る縁があり、それを期にイプホーフェンの畑は手放し2015年春にガームバッハへ完全に拠点を移します。カステラー・キルヒベルクの畑はその間も今も保持したままで。
ガームバッヒャー・カルベンシュタインはとても珍しくユニークな区画で、急斜面なテラス状の畑で70年代、80年代に植樹されてからそのままの姿を維持していて、まるで数世紀まえの風景を見るように手つかずの印象です。面積はわずか7.6haのとても小さないわばアペラシオンで土壌の構成も非常に興味深く、この区画の中で石灰土壌と赤砂岩土壌が侵食しあい、境界はもはやあいまいです。。
この2種類の土壌の境界は明確ではなく、気が遠くなるほどの年月の間、侵食を繰り返してきたため、お互いに入り乱れ混ざりあっております。隣り合ったパーセルどうしでも味わいが全く異なるのはこの2種類の土壌の構成がガームバッヒャー・カルベンシュタインの中で様々な形で複雑に絡みあっているからです。このパーセルの違いをより理解し感じとるために、彼はパーセルごとに分けて樽熟成させます。まるでジュラのジュリアン・ラベのようですが、シュテファンも同じように細かいパーセル毎にキュヴェを分けて作っており、その一因が土壌のテイストの違いを表現する為です。
畑はもちろん無農薬。ビオロジックを基本にビオディナミの手法も率先して取り入れています。ただ、この急斜面のテラスで実践するのは非常に困難と向き合わねばならず、多くの時間を畑仕事に割いております。加えて、この急斜面の畑の中の2haは馬で耕しています。
”品種、ヴィンテージ、土壌のキャラクターをワインの中に映し出す。“ワイン造りにおいての彼の明確な哲学です。
「シルヴァーナーは果実味を十分体感することは難しいが、畑と自然に向け合えば土壌とブドウ樹の成長をより表現することができる、だからシルヴァーナーは自分にとって品種として最も重要だ」といいます。もちろん、フランケンのティピカルな品種であるのも重宝する理由の一つだそうです。先人の多大な努力によって植樹されてきたガームバッヒャー・カルベンシュタインのブドウ樹齢はいま平均で30年~ 40年を迎えております。そしてなんと最も古いものは1931年と1935年に植樹されており、このパーセルのものは彼のTop Cuveeにのみ使用されます。
彼が持つ畑は合計で約4ha、その70%近くがガームバッハの周りにあり、テラス状の急斜面に30もの細かいパーセルに分かれております。残りの30%は、先述したカステラー・キルヒベルク/シュタイガ-バルト地区にあります。
1haあたりで5,000 ~ 6,000の樹が植わっており、平均収量は36hl/haです。品種構成はシルヴァーナー70%、ミュラートゥルガウ15%、シュプートブルグンダー8%、リースリング7%です。(ミュラートゥルガウ、シルヴァーナーのエントリーレベルのキュヴェの一部で近所の無農薬の農家からの買いブドウもブレンドされております。)
彼が目指すワインのスタイルは品種の如何に関わらずエレガントでフレッシュなスタイル。アルコール度の高さも重要でないため、収穫は周りの生産者より早く行います。言うまでもありませんが手摘みです。プレスはエントリーレベルからシュタインテラッセン・レベルまでは旧式のスクリュープレス機、それ以上のキュヴェは現代式のバスケットプレス機を使用し4 ~ 6時間かけてゆっくりと絞ります。ここ数年多くの生産者が使っているプヌマティック方式プレスは使用していないのも彼のワイン造りの特徴です。
搾汁後は1日デブルバージュ、上澄みのきれいなジュースのみを樽に移し、発酵・マロも樽の中で行いそのまま瓶詰まで約2年、澱と共に熟成させます。この期間、一切ワインには触れずテイスティングですら数ヶ月に一度行うかどうかだといいます。亜硫酸塩は瓶詰めまで一切添加せず、瓶詰め前の状態を見極めて無添加もしくは12 ~ 20ppm(12 ~ 20㎎/L) の添加を判断しています。濾過と清澄は一切行いません。
熟成場所にもこだわりと哲学が生きています。古いレンガでできたセラーは室温が年間を通してワインの熟成に最適で、季節の中で人間のコントロールなしに自然と微上下するのでワインが季節を感じ取れると彼は言います。
熟成は必ず樽を使用し(ストッキンジャー/300 ~ 600L)、そのパーセル毎に分けて仕込みます。古樽も新樽も使用しますが、ウッディーなニュアンス、バニラ・テイストをワインに足しこむのが目的ではありません。彼が目指すエレガントかつフレッシュなスタイルを表現するために樽が最も理想的な酸素透過性を実現できるからです。
モーゼルの見る者を魅了するドラマティックな急斜面と違い、シュテファンの急斜面のテラス状の畑は質朴、田舎的なそれです。森や茂み、果樹で囲まれた景色はより牧歌的で古き時代を連想させると共に、とても落ちついた静かな雰囲気をまとっています。まるで彼を映し出しているように朴とつで美しい景色です。
ラインガウ同様、かつてフランケンはドイツの中で最も称賛・礼賛を浴びた地域です。ビュルツベルクは同地域で最も大きな都市であり、ワイン取引で多くの富を得てきました。しかし特徴のない大量生産ワインをつくるジャイアント・ヴァイングートも数多く生み出し、未だに数多く存在し、この土地、畑、フランケンの地に不正義な農法をとっているという意見も存在します。

 

(イポーター資料より)