説明
9月の終わりに手摘みで収穫除梗し、ダイレクトプレスで樽に。1200-2400LT の樽で自然醗酵、自然MLF。2017年5月に瓶詰め。僅かの亜硫酸10ppm。
ヴェルリッチについて
オーストリア最南端のワイン産地ズュート・シュタイヤーマルクで、ソーヴィニヨン・ブランとシャルドネを主体に白ワインに特化するヴェルリッチ当主のエヴァルト・チェッペ。そのワインには、みずみずしいハーブのような香味と緊張感あるストラクチャー、どこか瞑想に誘うような深い余韻があります。
17世紀に開かれたヴェルリッチ農園を、父から受け継いだのは2004年。標高320~500メートルの斜面の中腹にある17haのビオトープのなかに、7.6haの畑があります。地中海からの風が、近くのドラウ川の反射で温められて吹き込むため、近隣よりも早くぶどうが熟し、病害もつきにくいそう。
エヴァルトにとって、ぶどうを育てる事は、人生の一部。徐葉、摘房、土起こしといった畑への干渉はほとんどせず、「植物、動物、昆虫と同じ自然の一部として、畑の仕事に関わる」のが信条。看板ワインの「ExVero」は、「真実で偽りがない」を意味するラテン語で、彼の哲学を表しています。
ヴェルリッチのワインを特徴づけるのが、シュタイヤーマルク特有の海洋性堆積土壌のオーポク。石灰岩、泥岩、粘土、シルトなどが押し固められた岩で、ぶどうに力強さと繊細さ、鉱物的なニュアンス、エキゾチックな風味をもたらします。畑の地勢によりオーポクの含有率が異なり、それを活かしながら、単一品種、ブレンド、ゲミュタサッツ(フィールドブレンド)、そしてオレンジワインと、様々なスタイルに仕上げます。最低22か月と長い熟成期間を取ることで、オーストリアの白ワインの造り手には珍しく亜硫酸ほぼ無添加。難しい年にかぎり瓶詰め前に添加するけれど、15mg/l以下です。
ふだんのエヴァルトは、常に謙虚で控えめながら、挫折や失敗も含め、正直に語る言葉の全てが心に残ります。それはまるで、後からジワジワおいしさが効いてくるヴェルリッチのワインそのものです。
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